凸凹の激しいクラスの授業

海外で日本語教室を担当されている
女性から
メールをいただきました。

・・・ここから・・・

原さん今日は。
(中略)
各周期におけるテーマに応じた
環境や体験を、

その期間中
子供に与えてあげることが
できなかった場合、

取り返しは
つかないものでしょうか?

それとも「周期」は
あくまで「最適な時期」であって、

時期はずれにテーマを与えても
子供(人間)は
吸収に本来よりも
多くの時間がかかる、
けれど諦める必要はない、ですか?

おっしゃる通りです。
諦める必要はないと思います。
@はら

もう一つ、
小学生対象の授業に関して

例えば

8人程を定員に
週一度の国語の授業をするとして、
同じ歳の子供達の間で
日本語力の差が著しく大きい場合、

原さんだったら
誰に合わせますか?

…ちなみにチェコ在住ハーフだと、
夫婦間がチェコ語
または英語の家庭で

母親がフルタイムで
働きに出ているケースなど、

6歳になった子供が
日本語をほとんど話せないような
悩みも聞けば、

お父さんはチェコ人だけど
日本語ペラペラで、

だからハーフの子供も
日本にいる子供達とそう変わらない
レベルの日本語で話せる、

といったようなケースもあります。

限られた日本人コミュニティで
ハーフの子供を集めると、

同い歳は数人しかいない上に
個人差が大きい、といった状況に
どうしてもなりがちなのです。

数少ない、同じ境遇の仲間と
接触する機会、という意味では

「集まる」こと自体に
とても意義があるのですが、

頻度が少ない授業で
ここまで差があると、

もしかしてプライベートで
個人レッスンの方が
実質「学べる」のかも?と、
ふと思いました。

子供の個人レッスンに関して、
なにかアドバイスいただけたら
幸いです。

・・・ここまで・・・

Kさん、
お便りをありがとうございます☆

「集まる」こと自体に
とても意義がある

その通りだと、わたしも思います。

頻度が少ない授業で
ここまで差があると、

もしかしてプライベートで
個人レッスンの方が
実質「学べる」のかも?と、
ふと思いました。

教室と、個人レッスンと
両方おこなえたら良いですね。

でも、そうできない事情が
あるのかもしれません。

もし、わたしだったら・・・

魂のこよみ
「凸凹が授業にダイナミズムを生む」

授業のなかに

様々な子どもが活躍できる
様々な場面を作ろうと
努力します。

ビゴツキーのいう
子どもの最近接領域*

毎回の授業で
活用するのです。

最近接領域とは、

教えてもらわなくても、
その子が
みんなと一緒ならできる程度の

「一人で出来ること」に最も
近い課題領域のこと。

そして、

===========
「何を」教えるかよりも
「どう」教えるか、が
===========
重要な鍵となります。

・・・

まず、

先を行く子ども
ゆっくりな子ども

それぞれに

大きな単元目標を作ります。

例えば、

進んでいる子は「手紙文の書き方」
遅い子は「ひらがなの習得」まで

などです。

次に、

目的達成のための

具体的な内容を

月ごと、週ごとに考えます。

そして、
大まかに1回ずつの
授業内容を組み立てます。

実際の授業では、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「一人ひとりが活躍できる」
機会があるように、

進度の違う子の間で
「どの子も退屈しない」ように、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先に進んだ課題
おさらいの課題をない交ぜて

取り組んでいきます。

授業は
=======
階段状ではなく
らせん状に進む
=======

ということを
常に意識します。

子どもには、最初に

この時間の
「それぞれの」目標を示します。

>今日は手紙文を書けるように
>「季節のあいさつ」を
>新しく学びましょう。

次に、ゆっくりさんの
そばまで行って

>あなたは、わたしとこの後で
>「か行」の続きを練習しましょう。

>まずは、みんなと一緒に
>「季節のあいさつ」をしようね。

ただその場を共有することも
大切な学びの時間になります。

先を進む子達には

「今日来て、ひとつ賢くなった」
と満足できるような

新しい課題を
出し惜しみせずに与えます。

ただし、
課題の数は1つ。せいぜい2つ。

そのために、

本当に目の前の子どもにとって
必要不可欠なものを

あらかじめ
厳選しておく必要があります。

授業の途中、ゆっくりさんにも
活躍してもらいましょう。

たとえば、

書けるようになったばかりの
文字を
その子が黒板に書く機会を作る

「みなさん」
「おはようございます」など

会話のキャッチボールを
定番にしておき

その子も含め、全員が
授業で声を出せる機会を作る。



そして、

「なんだ、そんな簡単なこと」
なんて言う子がいない

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
級友の小さな進歩を
ともに喜べるような
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

クラス作りも必要です。



授業の後半で、

先に進んでいる子達が

一人でできる作文や演習に
取り組んでいる間に・・・

これも、
全員一緒の課題ではなく

進んでいる子の中でも
早い子には
どんどん先の課題を与えますが

ゆっくりさんのところへ行って、

手取り足取りの
個人指導を行います。



・・・こんな感じ。



もちろん、

Kさんの生徒さんたちにとって
一番いい方法を見つけられるのは

直接、彼らに
教えているKさんです。

試行錯誤の報告も
ぜひ、お送り下さいね☆